マタニテイ歯科外来

妊娠中のお口の変化

命を育む女性の口腔内環境を整えるためマタニテイ歯科外来とうい考え方が定着しつつあります。妊婦さんの口腔管理を行うことで、生まれたお子さんの口腔環境を整えることができるとの研究結果もあるのです。妊娠中はホルモンバランスや生活習慣の変化、不十分な口腔ケア、悪阻によって、お口の中が酸性になり、身体の変化や生活の変化による歯を失う二大原因の「虫歯」や「歯周病」になりやすいのです。妊娠中のお母さんへ知っていただきたいことを説明します。

 
妊娠期の歯周病に要注意

歯周病菌は、早産や低体重児出産などのトラブルの危険性を高めます。歯周病がひどいと早産の危険性が5倍になることが明らかになっています。妊娠安定期に歯医者さんを受診して、必要があれば治療を受けましょう。

 
妊娠期の身体の変化と食生活、そして赤ちゃんの歯のための食事

唾液の性質の変化や分泌量の減少により、お口の中がネバネバすると、ふだんより歯垢(プラーク)がつきやすい状態になります。また、食べ物の嗜好や食事量、回数が変わり虫歯ができやすい口腔内環境になります。
おなかの中の胎児は、妊娠6〜7週目で胎児が10円玉の大きさのときに乳歯の芽が、14週目ごろに永久歯の芽ができます。妊娠4か月ころになると、歯の芽にカルシウム分が沈着し少しずつ歯が硬くなっていきます。歯は一度でき上がると後から栄養分を補給しても歯質に栄養を取り入れることができません。丈夫な歯を赤ちゃんにプレゼントするためには、妊娠7週ころから意識してカルシウム、良質なタンパク質、ビタミンA・Dなどを食事を工夫してバランス良く摂取することが大切です。過剰なビタミン摂取は悪い影響を与えますのでバランスに心がけて下さい。妊娠中に一番不足がちになるのがカルシウムです、お腹の赤ちゃんはお母様のカルシウムを「奪い取る」とも云われています。カルシウムは血液の成分に必要ですし、骨や歯を造るための重要な栄養素です。十分な栄養を吸収した良い歯質を持つ赤ちゃんは、生まれながらに虫歯になりにくい歯質を得られるのです。
>>妊娠中の赤ちゃんの歯のできかた(コラムへ)
『歯はどうやってできるの?』<コラム第2回> 



 

妊娠5〜6か月の安定期に歯科健診を受けましょう

妊婦さんが歯科健診を受けるのに適しているのは妊娠5〜7か月(20〜28週)の安定期です。歯科健診でX線(レントゲン)を使った歯の状態を調べる検査をすることがありますが、妊娠15週以降であれば、お腹の赤ちゃんがX線の影響をうけることはほとんどありません。撮影の際、鉛の防護エプロンを使用しますので心配はないのです。
虫歯は虫歯菌の感染によって起こります。生まれた直後の赤ちゃんはお口に虫歯菌は存在しません。お母さんやご家族の口移しによって感染するのです。ですので、妊娠しているときに積極的に歯科健診を受け出産前に歯の治療をしておくことや、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けることで虫歯菌と歯周病菌を減らすことが必要なのです。同居するご家族の口腔内環境の改善も必要です。出産前にお母様だけでなく、お父様や祖父母様の口腔内もきれいにするよう協力を仰ぎましょう。
>>母子感染(コラムへ)
『お口の中の母子感染と虫歯菌の発生について』<コラム第37回>

歯科健診を受けるときは母子手帳を提示ください。また、産婦人科の主治医から注意されていることがあれば必ず歯科医に伝えてください。